刑務所獄中記【人の不幸は甘い蜜】刑事施設拘束1530日

自分よりも不幸で不運な人がいることを知ることで、悩んでいる人や迷っている人に少しでも元気を与えることが出来れば良いなと思います

ブラック企業の広告代理店で働きながら援デリを兼業①

ブラック企業の広告代理店で働きながら、

援デリ(援助交際デリへル)をしていた。

広告代理店は1日12時間の週6日勤務で、

固定給30万円。社会保険等の福利厚生は一

切無く、所得税が引かれているだけ。風邪等

で休んだ場合は日割り計算で、その休んだ分

だけ引かれる。ただ業務は非常に楽で、1日

12時間のうち忙しいのはせいぜい3〜4時

間程度。時には何もすることない程暇な時も

ある。そういう状況だからこそ、援デリを兼

業できていた。援デリはキャストがいる時間

帯だけの営業で、毎月平均すると200万円

の売上で70万円近い収入を得ていた。

キャストの年齢は1番下が16歳で、1番上

が24歳と若く、4人雇っていた。客はスマ

ホやPCの出会い系サイトで釣っていた。

営業許可も出していない上に、未成年も雇っ

ている。なのでサイバーポリスの判別と、少

しでも臭いなと思う者はいくら良い条件でオ

ファーがあっても断固として断っていた。客

の釣り方とサイバーポリスの判別方法は師匠

から教わった方法を徹底することにより援デ

リ始めてから約3年近く上手くすり抜ける事

が出来ていた。過信することはなかったが、

ある程度この仕事に対する自信がついてきて

いた。広告代理店は今日は休みだが、援デリ

の方は営業していた。17歳の未成年のキャス

トでリピーターも多く、とても礼儀正しい良

い子で、1年近く働いてくれていたので信頼

していた。朝の10時から旅行代理店の前で

釣った客と待ち合わせになっていた。客と無

事に出会えたら「合流」とラインを送っても

らう様にしていたのだが、10時になっても

何の連絡もない。9時に家を出たと連絡があ

ったので、待ち合わせ場所にはとっくに着い

ている筈である。こちらからライン通話して

も応答ない。メールを送っても返信ない。

もしかして飛んだか?最初はそう思った。

もう潮時だと思い、この客のお金を丸々貰お

うと考えてるのだろうと勘繰っていた。許可

も出していない上に未成年だから、惜しいが

深追いするのは辞めよう、逆に今まで沢山稼

いでくれて有難うと思うように気持ちを切り

替えていた。一応旅行代理店の前を通ってみ

たが、当然見当たらない。いつも金の受け渡

しをしている細い路地裏の通りを歩いている

時に何となく空を仰いだ。そしたら電信柱の

上部の方に監視カメラがあるのに気付いた。

監視カメラもなく、人通りもほとんどないの

で金の受け渡し場所として選んでいたのだが

いつの間にか監視カメラが設置されている。

いつから設置されたのだろうか?考えても考

えても答えが出ない。代わりに嫌な予感に襲

われてきた。もしかしたら気付かぬうちに警

察にマークされていたんじゃないだろうか?

10時からの子も飛んだんじゃなくて補導さ

れたんじゃないのかと。