増刑にならなければ満期出所でもいいやと思うようになった㊺
担当台からヒヒは電話をかけ始めた。電話が
終わりしばらくして連行担当が、「1名っ」
と言いながら工場へと入って来た。その連行
担当に対してヒヒが耳打ちをしている。それ
から処遇調べ室へと連行された。あまりにも
理不尽なやり方に怒りが爆発しそうだったの
を必死で抑えながら、連行担当にわざと聞こ
えるように、「あのサイコパス刑務官汚えや
り方しやがって男らしくねえな、文句がある
ならハッキリ言えって、アイツの専行してい
る格闘技でやってやってもいいのによ、幹部
でも何でもねえのに幹部よりも偉そうな態度
しやがって、どう考えたっておかしいだろ」
と言う俺を連行担当は黙って見ていた。処遇
調べ室に入りパイプ椅子に座っていると統括
が入ってきて、「ハァ…」と溜息を吐き、
「せっかくの職業訓練なのにどうしたんや」
と聞いてきたので、「分かりません、こっち
が聞きたいくらいですよ」と言ったら、「反
抗の疑いで調査に処すからな」と言われ、閉
鎖ユニットへと連行された。この件があって
くらいから、増刑にならなければ満期でいい
やという考えに変わっていった。