刑務所獄中記【人の不幸は甘い蜜】刑事施設拘束1530日

自分よりも不幸で不運な人がいることを知ることで、悩んでいる人や迷っている人に少しでも元気を与えることが出来れば良いなと思います

増刑にならなければ満期出所でもいいやと思うようになった㊺

担当台からヒヒは電話をかけ始めた。電話が

終わりしばらくして連行担当が、「1名っ」

と言いながら工場へと入って来た。その連行

担当に対してヒヒが耳打ちをしている。それ

から処遇調べ室へと連行された。あまりにも

理不尽なやり方に怒りが爆発しそうだったの

を必死で抑えながら、連行担当にわざと聞こ

えるように、「あのサイコパス刑務官汚えや

り方しやがって男らしくねえな、文句がある

ならハッキリ言えって、アイツの専行してい

る格闘技でやってやってもいいのによ、幹部

でも何でもねえのに幹部よりも偉そうな態度

しやがって、どう考えたっておかしいだろ」

と言う俺を連行担当は黙って見ていた。処遇

調べ室に入りパイプ椅子に座っていると統括

が入ってきて、「ハァ…」と溜息を吐き、

「せっかくの職業訓練なのにどうしたんや」

と聞いてきたので、「分かりません、こっち

が聞きたいくらいですよ」と言ったら、「反

抗の疑いで調査に処すからな」と言われ、閉

鎖ユニットへと連行された。この件があって

くらいから、増刑にならなければ満期でいい

やという考えに変わっていった。