刑務所獄中記【人の不幸は甘い蜜】刑事施設拘束1530日

自分よりも不幸で不運な人がいることを知ることで、悩んでいる人や迷っている人に少しでも元気を与えることが出来れば良いなと思います

懲役は平然と嘘をつくサイコパシーの高い[サイコパス]が多い㊸

 

それからはしばらくMと2人でサシで話すよ

うになった。Mは詐欺の見張りと運転役で2

年6月ヶ月の懲役だった。出所後はもう詐欺

をやっている友達等とは付き合うつもりはな

く、ホワイトな仕事をしていきたいと言って

いた。親が中小企業の会社経営者ということ

もあり、20半ばにしてはビジネスの知識も

広く備えていたので、出所してからの儲け話

しばかりしていた。たまにHの話しになるこ

とがあった。Hは俺には親父がS会系の組長

と言っていたのだが、MにはI会系の組長と

言っていたみたいだ。出所してからは、

◯ブリンと一緒に仕事をしていくとも言って

いた。あと娑婆にいた時は、◯リタと一緒に

シャブをキメて◯リタのドーベルマンの散歩

のお供をしていたとも言っていた。工藤明男

ペンネーム)の「聖域」

 

「いびつな絆」

 

「破戒の連鎖」

 

の三部作を見ていたので、

"ある意味でヤバイ奴等”との交流があるん

だなと話し半分で聞いていた。Hは「自分が

1番先に出る(出所)ので、出たら2人に本

100冊ずつ送ります!」と調子良く言って

いたのだが、100冊どころか1冊も送って

こないし、手紙1通たりとも送ってくること

はなかった。◯ブリンも◯リタも平気で嘘を

つく、サイコパス

 

と本には書かれていたが、"類は友を呼ぶ"

とはこの事だと痛感した。職業訓練の募集が

あったので、ダメ元で一応応募した。類も3

類から5類へと下げられていた。紙の制作・

加工作業には完全に飽きてしまっていたし、

波長の合う罰明け2人が新たに配役されてき

て、Mも馴染んで仲良くやっていたからだ。

職業訓練の入れ替えの日がやってきた。80

%いけないと思っていた。13時の運動の時

間になり、HIPHOP音楽がラジオから流

れ出しいつも通り腕立て伏せを行っていた。

HIPHOPの音楽と筋トレは非常に相性が

良い。リズムに乗りながら筋トレをしていた

ら、外側から居室のドアが開き、職員から、

職業訓練でG工場に配役になるので準備を

するように」と言い渡しがあり、キャリーケ

ースを貸与された。時間一杯迄筋トレをした

後、荷物をキャリーケースに詰めて移動の準

備をした。移動の為に連行担当が居室へと迎

えに来た。居室を出てキャリーケースを押し

てF工場を後にする際、チラっとMの居室を

見たら両手を大きく振って見送ってくれてい

た。"上がらずに"6ヶ月の職業訓練を終え

て戻ってくるから"上がるなよ"と思いなが

らF工場を後にした。