刑務所獄中記【人の不幸は甘い蜜】刑事施設拘束1530日

自分よりも不幸で不運な人がいることを知ることで、悩んでいる人や迷っている人に少しでも元気を与えることが出来れば良いなと思います

いい歳こいたオッサン共が馴れ合うのはマジでキモい、まるで女子校㊳

次の配役はE工場となった。

立ち作業なので、飯も特A食となった。職業

訓練で自爆テロを決行してくれたNちゃんや

地元が同じ人が2人もいたので安心感が湧い

た。ただ、このE工場もホールで座る場所は

完全固定化されていたし、各々の卓には卓長

がいた。同じ懲罰明けで、同じ日に配役され

たM尾と誰も使っていない卓があったので、

対面して座り、「懲罰は何日だったか」とい

った何気ない世間話しをしていたら、2人組

のおっさんが、他の席がガラガラに空いてい

るにも関わらず、わざわざ俺らの隣に座って

きて話し始めた。2人のおっさんの話しを聞

いていると、「ここの卓は今日は使うのか」

「Sさんが居室から出てきたら聞いてみる」

といった内容の会話をしていた。新参者は座

るなと明から様に牽制してきた。文句がある

ならハッキリと言ってこいやと腹が立ったの

で、そのままシカトしてM尾と話しを続けよ

うとするも、M尾はやたらとソワソワしだし

て、その2人のおっさんに対して、「ここ座

っても大丈夫なんですか」と丁重に確認をし

たら、「いいよ」ということだったので、そ

のまま話しを続けていた。おっさん2人は元

いた座席へと戻っていった。そしたら次は別

の卓の20代半ばくらいの卓長が来て、「そ

この卓を使わないで下さい」と言ってきたの

で、「誰も使ってねえから別によくない」と

答えたら、「これから使う様になったんです

よ」と屁理屈こいてきたので、「工場長は空

いているところを使っていいと言ったけど、

工場長より君の方が偉いの」と聞いたら、

「そういう訳ではないんですが、人員も増え

て使う様になったので、すいませんが空けて

下さい」と丁重に言い返してきた。「てめえ

は何様だ」と怒鳴り散らしたかったが、懲罰

に上がりたくなかったので、仕方なく空けて

あげて居室へ戻ろうとしたら、懲罰明けで形

成しているグループから誘いの声がかかった

のでそこに座ることにした。怒りも収まって

いなかったので、そこの卓の人達に、「この

ルール何なんですか、マジで意味分かんない

ですよ、切れそうになりましたよ、危なかっ

たです」と言ったら、そこの卓の年長者が、

「ここのユニットは新入や罰明けで新しく来

た人間には冷たく、排除してくるガキ臭い奴

が多いから気を付けて」とアドバイスをして

くれた。翌日、新入で入ってきたがたいの良

いTが運動中1人でウォーキングをしていた

ので、話しかけた。川越少刑から移送されて

きたとのことだった。昨日起こった出来事と

、「新参者には冷たいユニットみたいだよ」

ということを伝えたら、「女みたいなことを

してくるんですね、女子校じゃないですか」

と笑っていたのが可笑しくて、つられて笑っ

た。波長が合ったので話しが盛り上がってい

るところに、昨日「どいてくれ」と言ってき

た20代の卓長がやってきた。

「次はなんや」と内心イライラしていると、

「良かったら今日から2人自分達の卓が空く

ようになったので座りませんか」と言ってき

た。昨日の今日なので即答出来かねたので、

「今日の作業終わってから、話す感じでもい

い」と聞いたら、「ちょっと待って下さい」

と言って、ベンチの方に走っていき、誰かと

話していた。そしてまた走って戻ってきて、

「分かりました」と言ってきた。続けて、

「Tさんはどうしますか」とTに聞いたら、

Tがチラッとこちらに目配せをして、「自分

も今日きたばかりで、右も左も分からない状

態なので作業終わってからでもいいですか」

と答えたら、「分かりました」と言って、

またベンチの方へ走って行き、さっき話して

いた者に報告をしていたみたいだった。その

ベンチの男はハーフ面で、年齢は30半ばか

ら後半に見えた。昨日の「どいてくれ」と言

ったことや、今誘ってきたのも、あのハーフ

面の根回しだなと納得した。そう思うとイラ

イラが増幅してきた。