刑務所獄中記【人の不幸は甘い蜜】刑事施設拘束1530日

自分よりも不幸で不運な人がいることを知ることで、悩んでいる人や迷っている人に少しでも元気を与えることが出来れば良いなと思います

調べで主任に屁理屈こねたら、奇声を上げて発狂した㊲

翌日、午前中の運動は単独だったのでマット

を敷いて雲一つない青空を見ながら腹筋を中

心にトレーニングを行った。運動後入浴が終

わってから早速調べがあった。調べ担当の主

任は、喧嘩もしたことがないような、のびた

君みたいな人だった。主任の「称呼番号、氏

名」の掛け声の後に自分の称呼番号と氏名を

伝えて椅子に座った。主任は椅子に座って早

々、制帽を机の上に置き、上目遣いで睨めつ

けてくる様な視線を向けて、「お前のストー

リーを語ってみんかい」と粋った口調で言っ

てきた。なので、「生活の心得を読まれたこ

とはありますか、そこには自分の受刑者とい

う立場をしっかりと理解して生活するように

と書いていますよ。受刑者が国家権力に対し

てストーリーを語ったところで無駄なんじゃ

ないですか」と冷めた口調で答えた。すると

「キョエ〜」と意味不明な奇声を上げた後、

「終わり、終わり」と言って調べを終わらせ

て居室へ戻された。翌日また調べがあった。

調べ担当が変わっていた。銀三本線なので階

級的には昨日の主任よりは下になるのだが、

心を掴むのが上手い上に、話しも面白く、頭

の回転も早い。違反事項について否認をしよ

うと思っていたのだが、担当官から、「主任

クラスに現認されたら否認しても間違いなく

違反事項として認定される」と言われた。

「認めれば、不正洗髪と反抗で15日だと思

うが、否認したら5日伸びて20日になると

思うぞ」と説得力のあることを言われた為、

「じゃあ認めますので、心証の良い調書をお

願いします」と頭を下げた。翌日、懲罰審査

会が開催され参加した。(強制ではない)

部長からは、「大人気ないよ」と一言。統括

からは、「注意を受けているのにやり続ける

その態度が気に食わんのじゃ」と呆れた口調

で言い放たれた。昼食後、受罰の言い渡しが

行われた。予想した通り、15日間の閉居罰だ

った。前回の懲罰から間もないし、暑いので

イライラした。長く感じた。このイライラを

解消する為に、休憩時間や受罰時間終了後に

筋トレで自分を追い込み、ストレスを解消し

た。当然、隙を見て汗でダラダラになった髪

と身体をシャンプーと石鹸を使用して洗い流

した。土曜日に受罰が明けて私物箱が戻され

た。砂漠の中でオアシスを見つけた様な潤い

を感じた。土、日曜日は免業日(休日)で月

曜日は矯正指導日となる為、配役は火曜日に

なる。月曜日に運動会が実施されていた。外

からは応援歌や歓声が聞こえてくる。去年は

雨で中止になったし、今年は懲罰の為に不参

加。もしも来年参加出来なければ、獄の中の
運動会を体験することなく出所となってしま

うので、是非とも参加したいと特別菜のコカ

・コーラとブルボンクッキーとスナックエン

ドウを食いながら考えていた。