刑務所獄中記【人の不幸は甘い蜜】刑事施設拘束1530日

自分よりも不幸で不運な人がいることを知ることで、悩んでいる人や迷っている人に少しでも元気を与えることが出来れば良いなと思います

強い眠気を催す薬[レボトミン]を砕いて鼻から吸引したHの幕引き㊷

夕食の時間になり、皆ホールに出て来て自席

に着くが、Hが出てきていない。Hの居室を

見に行ったらベッドにうつ伏せになって眠っ

ている。なので外側からドアをバンバンと何

回か叩いたら、音に気付いて居室から出てき

た。足元はフラフラで目は焦点が合っておら

ず、完全にぶっ飛んでる。ホールにいる40

名近くが注視している。理解ある奴は笑って

いたが、真面目にやっている奴からしたら良

い迷惑だ。早くしろよという視線を投げかけ

ている。飯を食い終わって席に着いてHに、

「もしかして鼻からいった」と聞いたら、

「ファイ」と呂律が回っておらず、しまいに

はテーブルにデコをつけて寝始めた。対面に

座っている俺はふざけて薄くなっている頭頂

部に息を吹きかけているのを見てMは大爆笑

していた。そしたらHが起きて、「顔洗って

きます」と言って居室へ戻って行った。そし

たら巡回の担当がHの居室へ向かって行き、

Hの居室前で止まり「何してんだ!そのまま

出てこい」と怒鳴り声をあげた。そしたらH

が髪がシャンプーで泡だらけになった状態で

出てきて処遇調べ室へと連行されていった。

本来であれば悲しむところなのだが、皆と一

緒に大爆笑をして連行されていくHを見送っ

た。