刑務所獄中記【人の不幸は甘い蜜】刑事施設拘束1530日

自分よりも不幸で不運な人がいることを知ることで、悩んでいる人や迷っている人に少しでも元気を与えることが出来れば良いなと思います

群れていないと粋がる事が出来ない女々しくてキモい人種㉛

W一派は運動中も常に4人で一緒にいる。

1人では何にもできねえ肝っ玉の小せえ人間

カス同然だと感じ始めていた。俺は大阪のN

さん(35歳)達と仲良くやっていた。工場

の食堂の席はNさんが左斜め前で、左隣には

W一派の全身入れ墨だらけのU(25歳)だ

った。NさんとUは正面になるのだが、一言

たりとも話しをしないので、Nさんとばかり

話しをしていた。Nさんがトイレに行った時

などにUが話しかけたりしてくるのだが、つ

まらないし、女々しい奴らだと思っていたの

で自分からは絶対に話しかけなかった。その

雰囲気にUは気まずくなったのだろう、食堂

での休憩時間になるとUは毎日爪を切る為に

席を離れるようになった。思った通り、一人

では無力な人間だと感じた。俺の一番嫌いな

人種だった。1日の訓練が終わり、更衣室で

作業服から居室着に着替えている時にNさん

が、「アイツ喧嘩売ってきたな」と怒った

表情で言ったので、「どうしたんですか」と

聞いたら、「俺の前を通り過ぎる時に舌打ち

をして、ガンたれてきた」と怒った口調で言

ってきた。Nさんは着替え終わった後、Uの

ところへ行き、「何か文句あるんかい」と言

ったら、Uが、「ハイッ」と右手を上げて、

「Nさんと交談許可お願いします」と正担に

許可を求め、許可された。そのUの行為は非

常にダサかった。「お前さっきガンたれた上

に舌打ちしたやろ」と言ったら、「していま

せん」の一点張りだった。「おめえ全身に入

れ墨入れて態度も太いのに喧嘩の1つもやれ

んのかい」とUを挑発したが、Uは何も返す

ことが出来ず、正担が止めに入り、その場は

収まった。Uに対し、つくずくダセエ奴だな

とドン引きした。この揉め事を発端にして、

仕掛けてやろうと心に決めた。ホールでの夕

食の際、テーブルの正面はW一派のM

(23歳)だ。夕食が終わり下膳の時に机の

下からMのテーブルを蹴り上げた。Mは一瞬

キレた顔をしたが冷静に「何するんですか」

とぬかしてきたので、「スリッパ隠すような

しょうもないことしたのはお前らやろ、ユニ

ット制限かかって皆イライラしとるから白状

してくれ」と言ったところ、「どこにそんな

証拠があるのですか」とほざいてきたので、

「そんなんで通用すると思っとるんやボケが

お前大分ふざけとるね」と言ったところ、

「ユニット制限かけられて迷惑しとるのは自

分も一緒です」とぬかしてきたので、「じゃ

あお前以外の3人のうちの誰かってことでえ

えとや」と言ったところ、黙りこんだ。「仮

にお前がしとらんでも、W達と一緒に行動し

とったらお前もアイツらと同じに見られるん

は分かるや」と聞いたところ、「はい」と答

えたので、「悪いと思っとるならちゃんと謝

れや、皆に謝りに回れとは言わんから」と言

ったら、「すいませんでした」と侘びてきた

ので、それ以上は何も言わなかった。Wを本

丸とするならば、外堀は簡単に崩した。最後

はWだけ。上げる機会を虎視眈々と狙ってい

た。