刑務所獄中記【人の不幸は甘い蜜】刑事施設拘束1530日

自分よりも不幸で不運な人がいることを知ることで、悩んでいる人や迷っている人に少しでも元気を与えることが出来れば良いなと思います

保釈許可が下りるも、親が妹の初産で手一杯の為保釈ならず⑲

世間はシルバーウィーク最終日。

俺には当然そんなことは関係ない。

時間がスーッと早く過ぎていく。
これからの人生がどうなるのか考える。

判決もそうだし、出所後の仕事もそうだし、

知人や友人に事件のことが知られてしまうの

ではないかという不安などが複雑に絡み合い

悶々とした気持ちは相変わらず続いていた。

次回の公判(結審)がまた満席で記者クラブ

も来るんじゃないかとネガティブで被害妄想

な考えに不安で心が押しつぶされそうになっ

てしまう。N弁護士が面会に来た。ネットで

検索しても公判のことや、事件のことは載っ

ていないので安心するようにと言われた。

「妄想に襲われて精神崩壊する人を今まで見

てきたことがあるので、そうならないように

変な妄想を抱かないようにとアドバイスを受

けた。初公判で容疑を認めたので、裁判所か

ら保釈許可がおりたと伝えられた。一刻も早

く娑婆の空気を吸いたいので久しぶりにテン

ションが上がったが、妹が初産で実家に帰省

しているみたいで、妹の面倒を見なければい

けないので両親が柄受け(身元引き受け人)

にはなれないと言っていると伝えられた。

テンションが一気に急降下してしまったが、

そういう理由であれば仕方がないと納得した

。元気な子供を産んで両親を喜ばせてやって

くれと心の中で妹に祈った。両親からしたら

、初孫の顔を見れる喜びがある一方で、ムシ

ョ行きの子供の心配という両極端な出来事に

対処しなければならない。
どうか、初孫を見れる喜びが気持ちの面で上

回っていることを願うばかりだった。N弁護

士がフォローする様に、「裁判所が保釈を認

めるということは反省した態度が認められて

いるということだから気落ちせずに、良い風

に、ポジティブに考えて下さい」 と言ってき

た。判決は、5~6年の懲役が妥当だろうと

言っていた。親父は俺が正直に話してくれて

良かったと言っていたみたいだ。