刑務所獄中記【人の不幸は甘い蜜】刑事施設拘束1530日

自分よりも不幸で不運な人がいることを知ることで、悩んでいる人や迷っている人に少しでも元気を与えることが出来れば良いなと思います

チリ紙の不正使用という極めてダサイ反則事案で調査に上がったW㉝

これでWは完全に孤立して、四面楚歌の状態

になった。ホールですれ違ったりする度に、

自分も含めた何人かから、「潔く点検拒否し

て消えろ」と怒声を浴びせていたが、気付か

ないふりをしていた。NちゃんとUが去った

翌日の正月の昼頃、巡回している職員に気付

かず、チリ紙にMに向けてガテを書いていた

ところを見られて職員に連行されてC工場を

後にした。チリ紙の不正使用という極めてダ

サイ上がり方だったので拍子抜けした。もう

ちょっとやれるのかなと思っていたので、期

待を裏切られたみたいでガッカリした。でも

まあ所詮はスーパーA級刑務所なんてこんな

もんだろうと考えを改めた。10月頃に購入

した中村天風の「運命を拓く」が届いた。

 

拘置所では「心理の響き」に何度も助けられ

 

たので、他の本も読んでみたいと思ったので

購入した。「心理の響き」では、中村天風

教えがコンパクトに書かれているのに対し、

「運命を拓く」では生い立ちからヨガの哲人

になるまでのストーリーも書かれており、改

めて超越した偉人だと深く感銘を受けた。

ペーパードラッグとでもいうのだろうか、

読み終わった後は高揚した。

C工場での3ヶ月間は足の引張合いだった。

でもこれが刑務所においてのスタンダートだ

とも思った。前回の半年間の職業訓練は例外

中の例外だった。